2011年07月24日

最後のスペースシャトルが地球へ帰還

アメリカ航空宇宙局の30年にわたるスペースシャトル計画を
締めくくる最後のフライトが無事終了しました。
ラストフライトを無事に終えたスペースシャトル
「アトランティス」は退役し、博物館に展示されることに
なります。

旧ソビエト連邦との冷戦期間中にスタートしたスペースシャトル
計画は、現在に至るまでの約30年間、米国の威信を世界に示す
壮大なプロジェクトでした。しかし冷戦終了後は巨額の費用が
アメリカの財政を圧迫するようになりました。これまでに
投入された予算は約11兆6000億円、アメリカ国内でも宇宙開発に
ついては否定的な意見も出始めているようです。

しかし、アメリカの宇宙開発は建国以来のアメリカンスピリット
である開拓精神の象徴でもあり、今後は火星への有人飛行を
次の国家目標として掲げ、さらなる挑戦が続くようです。

冷戦期から積み重ねられてきたシャトルの技術は、すでに
大陸間弾道ミサイルにも応用されています。さらに有翼飛行が
可能な大型の輸送能力は対ソ連のスパイ衛星を丸ごと格納
することを見据えた設計とされ、アメリカの驚異的な軍事力
発展にも大きく貢献しています。

ソビエト、ロシアを相手に一時は圧倒的な優勢を誇った
アメリカですが、財政難にあえぐ現在では、今後の
飛行士輸送をロシアに委ねる状況に陥ってしまいました。

ブッシュ前大統領の下で宇宙分野の大統領首席顧問を務めた
マーク・アルブレクト氏は、アメリカの宇宙開発について、
「経済成長を支え、驚異的な米国の軍事能力を生む原動力と
なった」と指摘しています。  


Posted by tksm2525 at 17:09ニュース